高温による農作物被害防止対策―農業者の皆さまへ―

2019年8月2日

気象庁発表の1か月予報(令和元年7月25日)及び早期天候情報(令和元年 7月29日)等によると、今後、北日本から西日本にかけて気温が平年と比べて、かなり高 い状態が続く予想となっており、高温等による農作物の生育への影響が懸念されるため、下記対策をお願い致します。

 

共通事項


1.暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けること。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、知らず知らずに熱中症にかかりやすいことから、単独作業にならないよう定期的に異常がないか巡回を行うなど、効果的な注意喚起を行うこと。


2.農業用水の確保のため、関係機関との調整を図り、計画的な配水が行われるよう措置すること。

 

水稲


1.登熟期における稲体の活力の凋落を防ぐため、以下の点に留意する。
(1)葉色を見ながら生育診断を必ず行い、適期に適量の穂肥の施用を行うこと
(2)出穂後の通水管理、収穫前の早期落水防止等の水管理を徹底すること。

 

2.生育前半が高温であった場合は、過剰分げつや籾数過多が見られることから、適正な基肥の施用、栽植密度の調整、中干しの徹底等に努める。なお、肥効調節型肥料(いわゆる基肥一発肥料)を使用した場合でも、現場での生育・栄養診断の実施による適切な追肥に努める。


3.収穫作業については、高温によって登熟期間が短縮し、収穫適期が通常より早まる可能性があるため、出穂期以降の積算気温や籾の状態に十分注意し、刈り遅れとならないよう品種・地帯毎の収穫適期を判定する。

 

豆類


開花期以降に干ばつが生じた場合は、落花・落莢が多くなり着莢率が低下するほか、不稔莢の増加、着粒重の減少等を招くため、状況に応じた適切なかん水を行う。また、高温年は、害虫の発生により落花・落莢、莢への食害が著しくなり、青立ちや腐敗粒の発生が多くなるため、適切な害虫防除を実施する。

 

野菜


1.干ばつ対策
干ばつ傾向にある地域においては、土壌の保水力を高め、また、根を深く張らせるために、深耕、有機物の投入等に努める。さらに、マルチ等により土壌面からの蒸発防止に努める。また、ハダニ類、アブラムシ類等、干ばつ時に発生が多くなる傾向の病害虫については、その発生動向に十分注意し、適期防除に努める。


2.高温対策
(1)全般
ア かん水は、立地条件や品目、生育状態等を十分考慮し、早朝・夕方に実施する。施設内でのかん水は、湿度が高くなりやすくなることから、夜間や曇雨天の日中には、通風するなどして湿度を下げる。また、地温上昇の抑制や土壌水分の保持を図るため、使用時期や施肥等に留意し、地温抑制マルチや敷わら等を活用する。高温耐性品種の選定に当たっては、立地条件、品種特性、需給動向等を十分に考慮する。
イ 園芸用施設は、施設内の温度上昇を抑制するため、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用する。遮光資材は、果実の日焼けや葉やけの防止にも有効である。循環扇は、局所的な高温・高湿空気の滞留を防ぎ、室内温度・湿度の均一化が図られるとともに、作業快適性の向上が期待できる。さらに、天窓の開閉や換気扇等を活用した換気、遮光資材、細霧冷房等の対策と併用することが重要である。
ウ こまめに除草を行うほか、側枝、弱小枝及び下葉を除去し、風通しを良くする。
エ 育苗箱は、コンテナやブロックでかさ上げし、風通しを良くする。


(2)特に葉茎菜類
ア 乾燥によるチップバーンを防止するため、薬剤防除時にカルシウム剤を混用する。
イ ねぎでは、軟腐病が発生するおそれがあることから畝間かん水を控える。


(3)特に果菜類
ア 不良果の摘果、若採りを行い、着果負担の軽減を図るとともに、適切な施肥により樹勢維持に努める。
イ 老化葉、黄色葉を中心に摘葉を実施し、水分の蒸発抑制に努める。
ウ カルシウム欠乏、鉄欠乏、ホウ素欠乏等の生理障害対策として、必要に応じて葉面散布を行う。

 

果樹


1.干ばつ対策
(1)干ばつ傾向にある地域においては、用水の確保に努め、敷わら、敷草等により土壌水分の蒸発を極力抑制しつつ、適宜かん水を実施する。
(2)草生園においては、干ばつ期の草刈りを実施し、防水透湿性シートによるマルチ栽培を行っている園地においては、マルチを巻き上げてかん水を行う、かん水チューブによりドリップかん水を行う等により、地表面への直接かん水に努める。
(3)なお、かん水に当たっては、かん水設備の漏水・目詰まり等に留意し、適切にかん水が行われるよう事前に点検を行う。
(4)干ばつ時に発生しやすいハダニ類については、発生動向に十分注意し、適期防除に努める。


2.高温対策
(1)収穫期を迎える果実については、着色不良を防止するため、せん定や反射シートの活用による適切な光環境確保の取組によって、着色を促す。
(2)着色が遅延することに伴い収穫時期が遅れ、果実が過熟とならないよう、適期収穫に努める。
(3)高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地においては、各種資材による遮光等の対策をとる。
(4)かんきつ類の浮皮は高温によって助長されるおそれがあるので、各種植物生育調節剤の活用を検討する。
(参考)農研機構「浮き皮軽減のための技術情報」
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/keigen.pdf)

 

花き


1.干ばつ対策
(1)干ばつ傾向にある地域の露地栽培の花きについては、土壌の保水力を高め、また、根を深く張らせるために、深耕、有機物の投入等に努める。さらに、マルチ等により土壌面からの蒸発防止に努める。
(2)ハダニ類、アブラムシ類等、干ばつ時に発生が多くなる傾向の病害虫については、その発生動向に十分注意し、適期防除に努める。


2.高温対策
(1)切り花については、朝・夕の気温の低い時間に採花し、常温で長時間放置しない。また、エチレンによる劣化を防ぐため前処理剤を使用し、品質の維持に努める。
(2)施設栽培の花きについては、施設内の温度上昇を抑制するため、妻面・側面を開放するとともに、作物の光要求性に応じて、遮光資材等を使用する。細霧冷房装置、換気装置等を設置している施設では、当該装置を有効に利用して適切な温度及び湿度の管理に努める。

 

畜産


1.家畜
(1)飼育密度の緩和、換気扇や扇風機による畜体等への送風や散水・散霧を行い、家畜の体感温度の低下に努めること。
(2)寒冷紗やよしずによる日除け、屋根裏・壁・床への断熱材の設置、屋根への消石灰の塗布等により、畜舎環境の改善に努めること。
(3)良質で消化率の高い飼料の給与、ビタミンやミネラルの追給及び清浄で冷たい水の給与に努めること。
(4)観察の頻度を増加させることにより、健康悪化の兆候がないか等、家畜の健康状態をよく把握し快適性に配慮した飼養管理に努めること。
なお、具体的な家畜への暑熱対策に関する相談窓口については公益社団法人中央畜産会のホームページを、快適性に配慮した家畜の飼養管理については公益社団法人畜産技術協会のホームページを参照のこと。
中央畜産会の相談窓口のホームページ:http://jlia.lin.gr.jp/keiei/
畜産技術協会の快適性に配慮した家畜の飼養管理のホームページ:http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/

 

2.飼料作物
(1)草地については、過放牧、過度の低刈り及び短い間隔での刈取りを避け、貯蔵養分の消耗を軽減して草勢の維持に努めること。また、夏枯れ等により草勢の低下が見られた場合には、必要に応じて追播や、は種直後の雑草防除等適確な維持管理作業を行うこと。
(2)土壌条件等により高温及び晴天の影響が大きく現れる地域では、土壌の保水力を向上させるため有機質の多投等を行うとともに、今後、は種する場合には、耐干性の優れた草種・品種の選定に努めること。
(3)青刈りとうもろこし、ソルガム等については、収穫期が近い場合にはコストに配慮しつつかん水に努め、かん水が困難ないし草勢の回復が困難と見込まれる場合には、早期に収穫を行い品質低下の防止に努めること。

お問い合わせ

農業振興課
電話:0187-63-1111

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