秋台風にご注意ください!―農業者の皆さんへ―

2019年9月6日

秋台風(秋に発生する台風)は、日本付近に近づくことが多く、日本付近にある秋雨前線の活動を強め、大雨を降らせることがあります。
このため、強風や大雨による農作物等への被害が懸念されることから、今後の気象情報に注意するとともに、下記、農作物等の被害防止対策をお願い致します。

 

全般


1.人命第一の観点から、暴風雨、異常出水時においては、農地や農業用施設等の見回りについては、   最新の気象情報を十分に確認し、これらの状況が治まるまで行わないこと。また、暴風雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行うこと。特に、これまでの地震や台風、記録的な豪雨等の影響により被害を受けた地域においては、引き続き、土砂災害に細心の注意を払い、人命を最優先に行動し、二次災害の防止に努めること。

 

2.暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けること。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、気がつかないうちに熱中症になる可能性があるため単独での作業を避け、定期的に異常がないか巡回を行うなど、効果的な対策を行うこと。

 

3.局地的な大雨が予想される地域においては、ほ場の冠水のおそれがあることから、速やかな排水に備えておくこと。特に、これまで冠水したことのあるほ場や地域については、重点的に対応を進めること。排水ポンプの融通等についても積極的に進めること。

 

4.病害虫への対策については、ほ場の冠水又は浸水、過湿などにより病害虫の被害を受けやすいことから、病害虫防除所から発表される発生予察情報に基づき、適期防除に努めること。

 

5.低地や川沿いにあるなど、収穫物の保管場所の浸水被害が想定される場合は、収穫物を浸水の危険がない場所へ移動すること。

 

6.農業用施設や機械が冠水・浸水した場合は、機械・機器等の始動や通電を再開する際には、使用マニュアルなどにより手順や注意事項を確認するとともに、漏電やショートに留意した対応を行うこと。また、状況によってはメーカーによる点検を受けるなど極力一人で作業を行うことを避け、ヘルメットを始めとする安全装備を着用すること。

 

7.台風の進路によっては、フェーン現象により高温となることが想定されるので、予想される地域においては、最新の台風・気象情報に十分注意し、農畜産物の適切な高温管理等に努めること。

 

8.暴風雨、増水等により施設や倉庫等の管理や巡回が十分できないことから、日頃から出入口等の施錠を確認するなど、防犯対策に留意すること。

 

作目別対策

 

1.園芸作物全般


(1)事前の対策
ア.台風が接近する前に施設やほ場周辺の点検、排水路の清掃を行うこと。
イ.温室、育苗・集荷施設等については、強風に備えて、取り付け金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の防風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努めること。
ウ.排水が速やかに行われるよう施設周辺の集排水路の点検、清掃を行うこと。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.台風が通過した後は、速やかに施設、機器の点検を行い、補修や修理が必要な場合には適切な処置を行うこと。
イ.ほ場や温室が冠水した場合は、排水ポンプや溝切り等によりできる限り速やかに排水を行うこと。
ウ.台風通過後の急激な気温の上昇に注意し、施設温室内の適切な温湿度管理に努めること。

 

2.野菜


(1)事前の対策
ア.ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業に努めること。また、台風による風害のおそれのある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努めること。
イ.定植後の幼苗期は、支柱等により倒伏を防止すること。支柱やネットを設置している作物は、確実に固定されているか確認し、必要に応じて補強しておくこと。
ウ.は種や定植を予定している場合は、台風の通過前の作業を避け、通過後に行うこと。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水や浸水等を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行うこと。
イ.果菜類では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減すること。
ウ.生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めること。また、被害が著しい場合には、他の品種又は作物に転換することも検討すること。

 

3.園芸施設


(1)事前の対策
ア.ハウスの側面、妻面、屋根面の補強資材を設置し、構造強化を行うこと。また、腐食やサビがないか、留め具等に緩みがないか等点検し、必要な補修を行うこと。
イ.ハウス周辺について、強風時の飛来物による損傷を防ぐため、片付けや清掃を行うこと。燃料タンクやガスボンベ等がしっかりと固定されているか点検すること。ハウス周辺は、雨水の滞留やハウス内への侵入がないよう整備すること。谷樋や縦樋、排水溝は清掃を行い、速やかに雨水が排除できるようにしておくこと。
ウ.強風時の被覆材の破損や剥離、ハウスの出入口の破損等によるハウス内への風の吹き込みによる被害を防ぐため、点検や必要な補修等を行うこと。ハウスの軒・棟・妻面付近では局部的に風速変動が大きくなるので入念に点検すること。強風時は室内外の気圧差により被覆材が膨れ、飛散する恐れがあるため、換気扇による減圧に努めること。倒壊の危険がある場合は被覆材を除去しておくこと。
エ.停電に備え、手動換気やカーテンの手動開閉等の作業内容の手順を確認しておくこと。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水又は浸水したほ場については、速やかな排水を行うこと。
イ.台風通過後はハウス各部を点検し、必要な補修を行うこと。構造体のボルトや筋かい等は適切な方法で締め直すこと。
ウ.被覆材や支柱、防虫ネット等の資材の点検や、必要な修復等を行うこと。環境制御装置や補光関連設備等についても、速やかに作動状況を確認すること。
エ.台風通過後は強い日射によりハウス内温度が急上昇し、高温障害を生じやすいため速やかに換気操作を行うこと。停電が伴う場合は手動、または非常用電源の作動で対策をすること。

 

4.果樹


(1)事前の対策
ア.強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱、マルチ資材の点検・補修を行っておくこと。また、倒伏しやすい樹体は支柱により補強しておくこと。
イ.収穫可能な果実はできる限り収穫しておくこと。その際、農薬散布から収穫までの経過日数に留意すること。
ウ.強い風雨が予想される地域では、かんきつかいよう病及び黒点病、りんご及びなしの黒星病、もものせん孔細菌病等の発生・感染拡大が懸念されるため、防除基準に基づき薬剤散布を行うとともに、既に罹病葉等がある場合には園外へ処分すること。
エ.排水が速やかに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行うこと。特にマルチ栽培の場合は、雨水が土中に浸透せず園外への排出量が増加し、土砂崩れや石垣の崩壊等につながる可能性があるため、排水路や排水溝の点検、清掃に留意すること。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.強風等により落葉した場合は、被害程度に応じて日焼けや樹脂病等の防止のための白塗剤を塗布すること。倒伏した場合は、健全な根を切らないようにできる限り早く引き起こし、支柱を添えて固定すること。枝裂けした場合は、針金、ボルト等で結合し、傷口に塗布剤を塗ること。被害により樹勢が弱まっている場合は、薬害が発生しないように留意しつつ病害虫の防除を実施するとともに、樹勢に見合った適切なせん定、施肥及び摘果を実施すること。
イ.落 下した果実については、農薬散布から収穫までの経過日数に留意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めること。特に、りんごについては、果汁のパツリン汚染を防止するため、土壌に触れた果実は原則果汁原料用には利用しないこと。やむを得ず利用する場合には、低温保管、早期利用、腐敗果の除去等に努めること。

 

5.花き


(1)事前の対策
ア.露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備えること。
イ.ほ場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り等の管理作業に努めること。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止すること。
イ.折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努めること。
ウ.天候が回復した後、被覆資材、支柱、防虫ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行うこと。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行うこと。
エ.生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植え替えや再は種を行い、被害の軽減に努めること。

 

6.畑作物・特産農作物(ばれいしょ、そば、こんにゃくいも)   


(1)事前の対策
冠水や浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠水又は浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、溝切り等の対策を講じるほか、明きょ等を点検・補修等を行っておくこと。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.ばれいしょについては、ほ場が冠浸水した場合、生育遅延や塊茎腐敗等を起こしやすいので、速やかな排水に努めること。また、湿潤ほ場での収穫は行わないこと。
イ.そばについては、ほ場が滞水した場合、出芽不良や根腐れによる生育不良等を起こしやすいので、速やかな排水に努め、長時間の冠水を避けること。
ウ.こんにゃくいもについては、冠水、浸水の被害を受けた、又は土砂の流入のあったほ場では、速やかな排水に努めるとともに、強風による葉の損傷等が発生した場合には、病害の発生を防止するため、状況に応じた適切なほ場管理や薬剤散布を行うこと。

 

7.水稲・麦類・豆類


(1)事前の対策
冠水や浸水の予想されるほ場において、作物の性質やほ場の状況に応じて、冠水又は浸水後の排水対策が速やかに行われるよう、溝切り等の対策を講じるほか、明きょ等を点検・補修等を行っておくこと。
早期米地帯においては、収穫後に自宅倉庫等で保管されている米については、共済制度の対象とならないことに留意し、適切な場所で保管すること。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.水稲については冠水時には排水路等を通じて速やかな排水に努め、排水後は、白葉枯病等の発生動向に留意し、的確な防除に努めること。また、冠水被害を受けた稲体は水分調節、肥料吸収等の機能が低下していること、出穂期や登熟期における台風通過に伴うフェーン現象は、白穂の発生、登熟不良等を引き起こすことから、根の活力を旺盛に保つよう水管理を徹底するとともに、応急的に通水し、水分の補給に努めること。
台風の接近に伴う強風や大雨により倒伏が起きた場合には、未熟粒や穂発芽等が発生し、品質低下が懸念されるため、被害の程度と籾の状況を見極めつつ適期
収穫に努めるとともに、被害籾は仕分けして乾燥・調製を行うこと。
イ.麦類については、播種後に浸水・冠水したほ場においては、速やかな排水に努めるとともに、浸水等により発芽不良などの被害が重大な場合は、再は種を行い、被害の軽減に努めること。再は種を行う場合は、は種晩限に注意しつつ、は種時期に応じ、は種量を増やす等により苗立ち数等の確保に努めること。
ウ.豆類については、土壌の多湿状態が長時間継続すると、土壌中の酸素不足による生育遅延や根腐れを引き起こすため、早期排水対策に努めること。また、  強風等により莢等が損傷した場合には、傷口から病原菌が侵入しやすくなるため、天候の状況を注視し、必要に応じ速やかに防除を行うこと。

 

8.畜産


(1)事前の対策
ア.畜産施設については、損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行うこと。
イ.大雨による畜産施設への浸水のおそれがある場合は、明きょの施工等により排水に努め、家畜への被害が生じるおそれがある場合は、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行うこと。
ウ.各地域において、行政機関や生産者団体等との連携により、あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるよう努めること。
エ.飼料・燃料などについては、不測の事態を考慮し、家畜を少なくとも1週間以上飼養するために必要な分量を最低在庫量として維持するよう、計画的な生産や購入に努めること。その保管場所については、河川の増水や土砂崩れのリスクも考慮し、分散して保管するなど工夫すること。また、飲水についても貯留タンクの設置やくみ上げポンプを準備するなどの対応を行うよう努めること。
オ.天気予報などにより天候の状況を注視し、飼料作物の管理・収穫作業等の計画を変更するとともに、収量や品質の確保のために、その調製法や時期についても、例えば乾草からサイレージに切り替えるなど臨機応変な対応を行うこと。特に飼料用とうもろこしについては、台風等に当たると予想される場合、糊熟期以降であれば、収穫適期に達していなくても、被害軽減のために収穫作業を一部前倒して開始することも検討すること。また、降雨による冠水に備え、ほ場に明渠や暗渠を整備するなど、排水対策を講ずること。

 

(2)被害拡大防止のための対策
ア.畜産施設及び家畜
(ア) 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行うよう努めること。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去するよう努めること。
(イ)畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行うよう努めること。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を講じるよう努めること。
(ウ)水濡れ、土壌の付着などにより品質が低下した飼料の給与は、家畜への健康被害や畜産物を通じた人の健康への影響の懸念がある場合は中止すること。健康への被害や影響が明らかでない場合には、家畜保健衛生所などの指示を仰ぐこと。飼料の品質が低下しているもののこれらの影響が想定されない場合で、代替飼料が確保できないなどの理由によりやむを得ず給与する場合には、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意すること。
イ.飼料作物及び稲わら
(ア) 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。
(イ)倒伏、冠水などにより、飼料作物が被害を受け、減収が懸念される場合などには、次期作を前倒しした作付けや、稲わら等の農産副産物の確保等により、良質な粗飼料の確保等に努めること。

お問い合わせ

農業振興課
電話:0187-63-1111

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